日本語というのは、他の国の言語(特に語彙の少ない英語比べると歴然です)と比べて、圧倒的に語彙が豊富であるといえるでしょう。
ですから、夏の厳しい暑さを表わすのには色々な言葉がありますが、実はその細かい違いというのは、何となくでしかわからない方もいれば、適当に使っているという方は多いでしょう。
そこでよく疑問にされる暑さに関する言葉について、ここでは見ていきましょう。
(1)酷暑の読み方と意味
まずは、「酷暑」、この読み方は、あなたは分かりますか。
これは「コクショ」と読みます。
ちなみに、漢字というのは非常に便利なもので、この字が読めなくても「告」という字の読み方はわかりますよね。
「コク」とか「ツ(げる)」、「ヒド(い)」と読みますから、「酷」という字がわからなくても、何となく読み方は想像できます。
そして、この酷暑の意味ですが、これも漢字を見れば一目瞭然、「酷い」と「暑い」が一緒になっていますから、ひどい暑さのこと、つまりかなり厳しい暑さのことを指します。
(2)猛暑の読み方と意味
では、猛暑という言葉もありますが、これはどういった意味なのか、これも同じようにとても暑い日のことを指すのは漢字からもお分かりいただけますよね。
ですが、あなたもどこかで聞いたことがあるはずです。
よく天気予報では「今日は真夏日でした」とか、「今日は猛暑日となるでしょう」なんて表現がされますが、この使い分けには気温による区別がなされています。
定義として、猛暑日というのは35度以上、真夏日は30度以上のことを指します。
(3)酷暑日と猛暑日に違いはあるの?
これもひどい暑さですから、酷暑日とはどんな違いがあるのかと疑問に思われる方もいますよね。
実は、気温から言えば、酷暑日と猛暑日、どちらも35度以上からのことを指しますので、同じなのです。
ただ、気象用語としては「猛暑日」が正式に気象予報用語として使われており、すでに私たちも耳慣れしています。
逆に、「酷暑日」という表現は、正式な予報用語としては登録されておらず、マスコミが使用しているうちに定着した俗称なのです。
したがいまして、酷暑日と猛暑日は、暑さは同じである、しかし、「酷暑日」は俗称であり、「猛暑日」こそが正式名称であると、覚えていただくと良いかと思います。
(4)海外では酷暑、猛暑のような単語は使わない
英語やスペイン語での天気予報となると、こういったはっきりとした暑さの使い分けはされていません。
「今日は〇度になります。本当に暑くなりそうです」と、誰でもわかるような言葉を使って天気予報を締めくくります。
ちなみに、天気予報もいわゆるお天気お姉さんという感じで、アメリカの場合には、セクシーな衣装を着たきれいな女性が、天気を説明するシーンがよく見られます。
ちょっとした言葉の違いですが、こうやって言葉の意味を知っておくと、日々の天気予報の見方も変わってきて面白いですよね。