場面緘黙症というものをご存知でしょうか。
最近、こういった「場面〇〇」なんて言葉のつく病気(症状)が増えてきていますね。
それだけ、そういう問題を抱えている方が多いということでもありますが、区別がつかないという方も多いでしょう。
では、最近よく聞く場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)とは、何なのでしょうか。
(1)場面緘黙症とは、ある場面や状況になると話すことができなくなる症状
場面緘黙症とは、家の中などでは普通に話すことができるのに、社会的状況において不安を感じることで、ある決まった場面や状況になると話すことができなくなってしまう症状のことを指します。
この症状は、大人よりも子供、特に、言葉の発達途中である幼児期に発症することが多いです。
その中でも、やはり、言葉を日々大量に習得する時期である2~5歳の子供によく出てくるケースで、性別で言えば、男の子がかかりやすいとされています。
(2)場面緘黙症の原因は、不安や内向的な性格
では、どうして、場面緘黙症になってしまうのか、その原因を探ってみましょう。
場面緘黙症になってしまう子供たちというのは、おそらく、あなたもどんなタイプの子かというのは想像できたかと思います。
やはり、よく不安が募ってしまうようなタイプの子であったり、内向的な性格の子が多いです。
こういうタイプは、家庭でのDVだったり、ネグレストなどによって生じてしまうことも、もちろんあります。
しかし、そういった子だけでなく、根っからの心配症や不安症の子供たちも、場面緘黙症になる可能性が高いです。
(3)場面緘黙症は、アメリカで多く見られる
この症状は、実は、アメリカで多く見られます。
というのも、ご存知、アメリカは多国籍、移民国家ということで、ただ英語しか話せない子供たちよりも、バイリンガル以上の子であることが多いことに起因します。
第二言語を話す親たちは、子供たちに、それを身につけさせようと教育します。
ところが、学校や外では、必ず英語となりますから、英語の方が強くなってくると、第二言語となる言葉を思い通りに話せないために、英語、そして第二言語にも影響が出てくるのです。
そのうち、話すことに障害が出てきます。
(4)英語の世界にいると第二言語が恥ずかしいという感覚が身についてくる
さらに、第二言語を持つということは素晴らしいことですが、英語の世界にいると、それが恥ずかしいという感覚が身についてくる子も多いです。
そのため、家では、どちらもべらべら話すのに、学校では、だんまりしてしまうなんてケースがよくあるのです。
セラピー大好きなアメリカでは、親たちはすぐに言語セラピーに連れていきます。
でも、大体、言われる言葉が、「1言語に絞りなさい」という、「そんな簡単な問題か?」と、ツッコまずにはいられない答えが待っているようです。
ちなみに、このセラピーは、何度も、時には何年も通います。
日本も、今は、ハーフの子が増えてきて、この状況に置かれている子も多いでしょう。
また、そうでなくても、ストレスを感じる世の中ですから、場面緘黙症になりやすいです。
「もしかしたら、うちの子はそうかも」と、思ったら、病院や言葉の専門家に相談しに行くことをおすすめします。